横須賀に住む私が、びっくりしたことがある。
横須賀の浦賀という場所に「叶神社」という、パワースポットとして人気のある神社が浦賀港を一望できる山の中腹にある。
「叶神社」の山中で明治維新の幕府側の立役者だった勝海舟が断食をしていた。
日本の使節団が太平洋を渡るための船、咸臨丸は浦賀造船所で修理をしていた。
乗船するはずの江戸幕府海軍操練所教授方頭取の海舟が咸臨丸が修理されている間、東叶神社山奥で断食をしていたのだった。
浦賀港が一望できる海抜55㍍かつての浦賀城址跡地。
頂上には、井戸があって、勝海舟が初めて渡米する際に太平洋の荒波を超えて無事にアメリカに渡れるように、祈願した水ごりをした井戸。
井戸で身を清め、獣たちの暮らす山頂への石段を登り頂上で断食をしたというのだ。
今の時代と違って、アメリカまでの航海は命がけであったはず、無事に役目を成し遂げる覚悟を決めて、危険な山中で物も喰わずに過ごし、神仏に祈願した事に驚いた。
そんな時、この本に出合った。
アスリートから芸能人まで、彼らがこぞって断食する理由が詳細に書かれている。
落合・アントニオ猪木・小川直哉・美川憲一・カールルイス・トレバーホフマンなどの多くの人々が山田豊文氏の断食を行っていた。
歴史的にみると、イエスキリストは「病気は祈りと断食で治しなさい」古代ピタゴラスは「人の病気は過食からくる、なるべく少なく食べよ、しからば汝の身体の丈夫になり、精神も立派になって、病気の神も汝をどうすることもできないであろう」といったそうだ。
ソクラテスやプラトンも断食をおこなうと「知的なひらめきが飛躍的に鋭くなる」と指摘している。
断食による無の境地
著書によれば、『般若心経』の経典で「無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜつしんい)」「無色声香味触法(むしきしょうこうみそくほう)」眼や耳や鼻、舌、体、心といった感覚器官もなく、形や声、香り、味などを感じる対象もないと記されている。
「無の境地」とは、「無」は悟りの意味で、感覚が究極にまで研ぎ澄まされて高められたのが「無」であり「悟り」
その意味では、感覚が究極に研ぎ澄まされる断食は、「悟り」に近づく道であると言っていいのだと書かれている。
現実的な場面で、断食を通して五感が敏感になり、それが成功へとつながるのだと言えば、アスリートや数々の成功者が過去も現在も行っている「断食」は極めて重要なのだと感じた。
このように、人類が果てしない希望を持って悟りの境地を解き哲学者が行ってきた断食。
私達は現代で「酵素ファスティング」という手軽でお洒落でいつでも実行できる身近な方法を知ることが出来るようになった。
私はカウンセリングの時には「ファスティング」をしてお客様と面談をする。
時には「前日から、食事をしないで来てください」とお願いする。
それは、より一層研ぎ澄まされた状態で「真の悩み」に触れて「生まれ変わってもらいたい」と心から願っているから。
人は素晴らしいものを持って生まれる。
その事に気づいて欲しいと心から願って「酵素ファスティング」をこれからも多くの方に広めて行きたいと思った。